私は頭が悪い。これはかなり残念なことではあるが、自覚している。しかも私がそれに気がついたのは、かなり大人になってからである。このことからも、私がいかに頭が悪いかがわかる。
「頭のよさ」とは、学校のお勉強の出来のことではない。他人との関係の中で、どうしたらよいか、それを考える頭の回転の速さのことである。
私は、自分の頭が良くないことは知っているので、他の人がどう振る舞っているのか、こっそり観察することがある。
そうすると、当たり前のことではあるが、1つの物事に対して、それぞれみんな違った反応をしている。そしてそれは私の目のには、どれも真っ当な反応に思える。
翻って私はどうだろう。
いつも自分に自信がなく、ふらふらしているし、そもそも、どうしたらよいのか、即座に反応が出来ない。後になれば、こうすればよかったとか、さっきのはこういう意味だったのかな、と思ったりもするけれど、そのときには全く思いつかない。そして、自分の中で自分の反省会をし、さらに沈んでいくというスパイラル。いつもこうだと、さすがの私も疲れてしまう。
そんな自分を中にしまって、また朝を迎える。いつも朝はため息で始まる。